済州島に軍事基地はいらない!

九州の西、朝鮮半島(韓半島)の南西、チェジュ(済州)という島の南海岸にガンジョン(江汀)という村があります。450年以上の歴史をもつガンジョン村で、2007年5月18日から海軍基地反対運動が10年間続いています。ガンジョンの海軍基地問題はガンジョンやチェジュ島だけの問題ではなく韓国の軍事基地、沖縄・日本の米軍基地問題ともつながっています。

イ・シウさんの講演「平和のための基地監視、どうすべきか?」

平和のための基地監視、どうすべきか?
講演1.平和監視、どうすべきか?
講演2.現在の情勢とガンジョンの海軍基地反対闘争

日時:2018年1月29日(月)午後7時~10時
場所:ガンジョン村 聖フランシスコセンター2階
主催:ガンジョン村海軍基地反対対策委員会

講演者:イ・シウ
写真家。米軍基地、対人地雷、核兵器、化学兵器、弾薬などへの平和監視活動と、朝鮮戦争と国連軍司令部、停戦体制、戦時作戦統制権についての研究などを行った。著書は「民統線平和紀行」、「国連軍司令部」、「済州沖縄平和紀行」などがある。

以下はイ・シウさんの主なテキストより引用したものです。

「原子力潜水艦の寄港は、92年に結んだ南北非核化共同宣言に明確に違反したもの」「多くの国が、原子力推進の艦艇に対して自国の領海へ入ることを禁止しているのは、彼らが時々放出する原子炉の1次冷却水が原子力に汚染されている可能性が高いため」「日本の神戸市がアメリカの原子力船舶の寄港を禁止した例のように、自治体の条例制定だけでも十分に防げること」(イ・シウ、慶南道民日報、2005年9月9日)

「アメリカのイージス艦をはじめとする海軍の艦艇は、4種類の魚雷を発射させる液体の推進剤であるオット燃料Ⅱを使用する。米軍の教範には、オット燃料Ⅱを「飲み込んだり、吸入したり、皮膚を通して吸収されれば有害で致命的」と明示している。

また、米軍の艦艇は、近接防御兵器のファランクスに劣化ウラン弾を使用する。1938年、ハワイの港に停泊してたアメリカの艦艇から、ファランクスの誤作動により、住民の住む市街地に劣化ウラン弾3発が発射されたことがある。

海上において常に塩気に露出された兵器は、整備不良などにより、誤作動の事故が発生する。この事件が大きな問題になると、アメ

リカ・フレンズ奉仕団(AFSC)のカイル・カジヒロは(Kyle Kajihiro)は、アメリカの太平洋司令部にすべてのえっかウラン弾の情報を公開するよう請求しており、この資料で、太平洋のアメリカ空軍が、約300万発の劣化ウラン弾を韓国と沖縄に保管していることが確認された。

しかし、この資料には、アメリカ陸軍と海軍に関する資料は含まれていなかった。私たちは、どの程度の劣化ウラン弾を使用するかについても分かっていないのである。劣化ウラン弾は、第2の変種核兵器とよばれるほど、核爆発による被ばくと同じ被害を起こす放射能兵器である。韓国のほかの港同様、米軍艦艇の寄港することが火を見るより明らかな済州において、劣化ウラン弾の誤射事故が起こる可能性は、果たしてゼロで安心しても良いのであろうか。

[...]さきに指摘したように、軍艦は、それ自体が巨大な弾薬庫である。これらの爆発事故に備えて充分な距離を確保することは必須である。万が一、クリアゾーンを確保したとしても、爆発物に混ざっている化学物質などの2次被害を考慮すると、民間の港と軍港は、わざとでも分離させるのが常識であろう。」(イ・シウの寄稿:済州海軍基地建設の諸般問題点についての立場、メディア済州、2012年3月15日)f:id:gangjeong:20180417152511j:plain